waltzingmathildaのブログ

自分のための思考のゴミ箱。社不はこんなこと考えながら生きてます。最近は好きなモノについて感じたこと書くスペースになってます。

放浪して生きるということ

 

突然ですが、みなさんは

このブログのユーザー名である

"waltzing mathilda"

の意味を知っているだろうか。

 

 

実は、2つの楽曲からとった名前である。

今回はその話をしたいと思う。

 

 

 

そもそも俺は、InstagramTwitterなどの名前を決めるとき、みんなに見える名前はわかりやすくして@〜のユーザー名を凝るタイプである。

何故かといえば短絡的にはカッコいいからであり、マーケティング(?)的に言えばキャラクターに奥深さ(面白さ)を出すためである。

(酒カスな彼女のあるSNSのユーザー名のひとつは鏡月午後ティー割り」である)

 

知らない人、関わりが少ない人が自分のユーザー名を見たとき、どういうスタンス、スタイルの人間か想像してもらうことが出来るかもしれない、そんなところである。(もちろん、ユーザー名の元となる語を知らなければそれまでなのだが)

 

後で関係が深くなった人は俺のユーザー名を見て、「なるほどな」となるのではないだろうか。

 

 

 

"Waltzing Matilda"

 

1つは、オーストラリア民謡の

Waltzing Matilda」である。

非公式の国家とも言われている、オーストラリアを代表する曲のひとつである。

 

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https://youtu.be/mRcEZm1fpyw

ここでのwaltzingとは「あてもなくさまよい歩く」という意味で、matildaは「寝袋あるいはその他の寝具が束になったもの」という意味である。

 

You'll come a-walzing Matilda with me?

お前も俺と一緒にマチルダワルツ(毛布ひとつで放浪)しないか。

 

この曲のストーリーは「貧しい放浪者が羊泥棒を働き、追い詰められて最後は沼に飛び込んで自殺する」というもの。

 

歌詞はなかなか暗い内容だが、メロディーはカントリー調の明るい曲である。

しかしこの放浪者、置かれた状況に対して随分と陽気に歌う。個人的に好きである。

 

 

こういった要素が今の俺の心境と非常にリンクし気に入った、というのがユーザー名に採用する理由である。

 



"waltzing Mathilda"

 

もう1つは、

Tom Waitsの「Tom Traubert's Blues」。

そのサビ部分である。

 

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https://youtu.be/HkOMiA_uGso

初めてこの曲を聴いたとき、ピートを加えた喉の粘膜を蒸留器にかけ作られたアイラモルトウイスキーのような声、悪く言えば負け犬の唸り声みたいだなと思った。

 

Tom Waitsは「酔いどれの詩人」、「言葉の魔術師」という異名をもつシンガーソングライターである。俳優もやっていたりする。

彼はこの曲を、L.A.の路上生活者と会い、1パイントのライ・ウイスキーを飲み干した後に書いた。

 

余談だが、Tom Traubert's Bluesの「Tom」とはTom Waitsのことではなく、彼の獄中死した友人Tom Traubertのことである。彼は路上生活者とこの友人の人生を踏まえ、あてもなく放浪する生き方について書いたのだろう。

 

To go waltzing Mathilda,
waltzing Mathilda,
You'll go waltzing Mathilda with me

 

楽曲のなかで何度も繰り返し出て来るサビ部分のフレーズである。

元となるのは上に書いたオーストラリア民謡の"Waltzing Matilda"であるが、

よく見るとTom Waitsの"waltzing Mathilda"にはhが入っている。

綴りの違いは英語の種類の違い、もしくは、Mが大文字になっていることからこちらは人物名が由来なのかも知れない。

 

 

なにが言いたいかといえば、

俺のユーザー名に使われているのは

"Waltzing Matilda"ではなく

"waltzing Mathilda"、

Tom Waitsの方のものなのだ。

 

"Waltzing Matilda"は義務教育期間の音楽の教科書にも載っている場合があるので、本来ならわかりやすく有名なこちらを選択するべきである。

 

が、

こちらを採用する理由は当然

トムラ=ワルチングマチルダ野郎だからである。

トムラのワルチングマチルダにはhが入ると決まっている。

 

洒落である。様式美は理屈に勝るのだ。

 

 

 

 

放浪者

 

2つの楽曲の歌詞の内容は正直どちらでも意味が通るのである。

要するにどちらでも良いのだ。

俺が自分のことを「あてもなく彷徨う放浪者」だと思っている、ということがわかれば。(実際そうであるが)

 

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そして自分が「あてもなく彷徨う放浪者」であると認めた瞬間、ふと気づくのだ。

 

誰もが人知れず抱えている言いようのない孤独感。その漠然としたものに。

 

それは言い換えれば、

誰しもが「放浪者的側面」を持つ、と言うことである。

その「放浪者的側面」は時に自分を見失わせ、

自分の人生を自分のものでは無いものにしてしまう。

 

日常の中で、そういった孤独感や漠然とした不安に押し潰されそうになるときがあるだろう。

 

そんなとき、「よく考えたらアイツもコイツもみんな放浪者じゃんか」と考えられればいくらか笑えようか。

(無論、自分の問題が解決・解消する訳では無い)

 

 

 

自分が「放浪者」であると知っている俺が、

自分の意思で「waltzingmathilda」をやっている。

それはきっと自分にとって、ある種の願いでもあり、呪いでもある。

 

 

 

今のまま生き、羊を殺した放浪者のように惨めな(ドラマチックな)最後を遂げるか。


あるいは

Tom Waitsの歌声のように、

旅の道連れの布袋のように、

誰もが持つ孤独感にそっと寄り添えるような

そんな存在であれたら。

 

どちらもよい。

そんな思いでつけたユーザー名である。

 

 

 

 

 

 

 

誰か俺と一緒に

チルダワルツする

やつはいないか?

 

 

俺はいつでも待っている。